インスタントラーメンを待っている間に読み終わる、重要なテック・トレンド。見逃してしまったあなたにお届けします。
今週のピックアップ
Amazon、量子コンピュータサービス開始
アメリカ時間の12月2日(月)にEコマース大手のAmazonが量子コンピュータの計算能力をクラウド上で試すことができるサービス、【Amazon Braket】を開始しました。
量子コンピュータは、物理学の一分野である量子力学を元に試作されている最先端の機器です。通常のコンピューターでは年単位の時間がかかるような複雑な計算が数秒から数分で可能であるとして期待されています。
Amazonのブログによると、サービスの提供には自社製のハードウェアではなく、D-Wave、IonQ、Rigettiという3社の量子コンピュータのスタートアップ企業の機器が利用されるようです。
ちなみにD-Waveは検索エンジン大手のGoogleとの共同研究で知られているカナダに本社を置くスタートアップ企業です。
Amazon Braket SDK(ソフトウェア開発キット)は、機器学習でよく使われているプログラミング言語のPythonに対応しているそうなので、比較的簡単に試しのプログラムを実行できますね。
今後の展開が楽しみです。
自動運転タクシーのWaymo、iPhoneアプリ登場
自動運転の研究開発を行っているWaymo (Googleの兄弟会社)は、2018年末にアメリカのアリゾナ州で現地住民を対象に自動運転配車サービスの提供を始め、12月5日に1周年をむかえました。
配車依頼するためのアプリは、Android携帯用にGoogle Paly Storeで先に提供が開始されていましたが、AppleのApp StoreでiPhone用のアプリもリリースされました。
iPhoneユーザにはうれしいニュースですが、残念ながらアプリをダウンロードしてもすぐにはWaymoの配車サービスを使うことはできません。アプリを開くと、待ちリスト(Waitlist)にサインナップする画面が表示されます。実際のサービスの利用開始は、Waymoからの連絡を待つことになります。
ちなみに、今の所サービスの提供がアメリカ国内のみ(アリゾナ州フェニックス)となっていることもあり、日本のApp Storeではアプリを検索しても表示されません。
また、日本を含むアメリカ国外でのサービス提供時期については不明ですが、とても楽しみですね。
Googleの創始者からバトンタッチ、Alphabetの第2章
アメリカ時間の12月3日にGoogleの共同創始者であるLarry Pageが、Googleの親会社であるAlphabetの代表(CEO)を退き、Googleの現CEOのSundar Pichaiが新しい社長に就任することが発表されました。
Google検索がまだ日本ではあまり使われていなかった2000年の初め頃からGoogle利用している筆者にとって、印象的なニュースでした。なんとなく寂しい感じがしますよね。
しかし、ニューヨーク証券取引所での反応は上々だったようで、発表後にAlphabetの株価がみごとに上がっています。
その理由は新社長に選ばれたSundar Pichai。知らない方も多いのではないでしょうか。
GoogleとAlphabetの新社長ってどんな人?
簡単に紹介すると、彼はおそらく世界で一番有名なコンサルティング会社のマッキンゼーの出身のエクゼクティブです。Googleで社長に就任する前は、ブラウザのGoogle Chromeを開発当初から率いて成功に導いた人物でもあります。
エンジニア出身の社長ではないのですが、Google Chromeのチームを率いただけあって技術的な質問にも淡々と答えられる頭脳派の社長です。
彼が率いるAlphabetの元で、これからGoogleやWaymoがどのように成長していくのか楽しみですね。
ちなみに、Larry Pageともうひとりの共同創始者であるSergey Brinは、今後もAlphabetの取締役会のメンバーとして残るそうです。
以上今週のテックトレンド・ニュースでした。
それではまた来週お楽しみに。