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世界のアクセスランキング2019の解析からわかること-企業編

最終更新日: 2019.11.07

日本を含む16カ国のウェブサイト・アクセスランキング・トップ25を分析して、世界と日本のインターネット利用状況について調べました。この記事は以下に示すシリーズの「企業・資本ごとの分析」であり、文字通りデータをサイトを所有している企業・資本ごとに分類します。企業という視点からランキングを分類・分析することで、会社どうしの力関係や時代のトレンド、そして日本と世界の傾向の違いなどみていきます。

 

調査対象国のリストなど、他のシリーズと重複する部分もありますので、必要に応じて適当に読み飛ばしてください。

 

「世界のアクセスランキング2019の解析からわかること」は、以下の4つのシリーズに分け、それぞれの視点から世界のインターネットの状況について分析します。
 

 

調査した国

経済レベルと人口及び地域を考慮して以下の16カ国をアレクサ・インターネットのランキングを使って調査しました。

 

アジア&オセアニア

  • 日本
  • 中国
  • インドネシア
  • インド
  • オーストラリア

 

中東&アフリカ

  • サウジアラビア
  • 南アフリカ

 

ヨーロッパ

  • イギリス
  • フランス
  • ドイツ
  • オランダ
  • スウェーデン
  • ロシア

 

北南米

  • カナダ
  • アメリカ
  • ブラジル

 

分析結果

1.ランクインした企業・団体の数

ほとんどの企業のランクインは1回のみ

 

1つの企業が1つずつランクインすると16カ国のトップ25なので、16×25で最大で400になる計算です。

 

ランクインした企業について理解するために必要な以下の数字をみてください。

 

  • 122 -ランクインした企業の総数
  • 25 (全体の20%)-2カ国以上でランクインした企業の数
  • 67% -上記の25社の独占率
  • 6.0  -1企業あたりのランクイン数の中央値(上位20%)
  • 1.0  -1企業あたりのランクイン数の中央値(全体)

 

上の数字をみて直感的にどう思いましたか?

 

筆者は、意外とランクインた企業の数が多く、特定の企業の独占率が低いように思いました。インターネットは、資本主義の最たる例で、一番大きく効率のよい企業がほとんどを専有するのが普通だからです。ただし、上記の数字は、すべてのカテゴリの平均なので、カテゴリごとに分ければ必ず数字が変わります。

 

例えば、検索や動画のカテゴリでは、上位3社が90%以上を専有する結果なっています。

 

2.ランクイン数が多かった企業・団体のトップ3

やはり圧倒的1位はGoogle、その次のグループにMicrosoftとAmazon

 

Googleが1位なのは誰もが納得のはずです。最も有名なインターネット企業ですから。その一方で、ウェブ企業でないMicrosoftやショッピングサイトを運営するAmazonが2位と3位に来たのは、意外だと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

その理由を理解するために、結果の集計からわかったこの3つの企業を示す数字をいくつかみて見ましょう。

 

  • 93% -3社が西欧の10カ国のトップ3を占める割合
  • 79% -Googleが16カ国のトップ3を占める割合
  • 61% -3社が16カ国のトップ5を占める割合
  • 28% -3社が16カ国のトップ25を占める割合

 

誰もがこの3社がアメリカの大企業だと言うことは知っていますが、たった3つの会社がここまで世界で利用されているサイトを独占していると想像できるでしょうか。上記の数字は、全16カ国、または西欧のデータですから、英語圏だけに絞ればさらに率はあがります。

 

「ガラパゴス」と自傷気味な日本のトップ5の上記3社の占有率はいくつだとおもいますか?

 

なんと、80%です。
 
世界平均よりも高い。

以前では考えられなかった数字です。

 

3社の独占率の程度がわかったところで、次に、具体的にどのようなサイトを所有しているかみてみましょう。

 

それぞの企業でランクしたのは以下のサイトです。見たことがないサイトも含まれているのではないでしょうか。太字のサイトは、買収によって各企業の一部となったサイトです。
 

Google

  • Google.com
  • YouTube.com
  • Google.国別URL (Google.co.jpなど)
  • Blogspot.com

 

Microsoft

  • Live.com
  • Office.com
  • Microsoftonline.com
  • MSN.com
  • Bing.com
  • LinkedIn.com

 

Amazon

  • Amazon.com
  • Amazon.国別URL
  • Twitch.tv
  • Amazonaws.com
  • IMDb.com

 

 

Blogspotは、Wordpressとともにブログの世界では非常に有名で、今回のランキングでは、5回ランクインしています。日本でいえばFc2が有名どころでしょうか。

 

上にリストされたMicrosoftのサイトは大体見たことがあると思いますが、LinkedInは仕事用のFacebookで、実名登録が普通の西欧ではなかなか人気のあるサイトです。

 

Twitch (トゥイッチ) はYouTubeのようなもので、特にゲームのプレーをストリーミングするサイトです。IMDbは映画・テレビの情報を簡単に調べられるデータベースです。プライムビデオを見ている方は、映画の評価の部分に「IMDb」という小さい文字に気づくかもしれません。

 

3.1つの企業による1カ国の独占率トップ3

中国のアリババグループとGoogle、そしてMicrosoft

 

アリババグループ

この企業体は、日本の楽天とMonotaroを足して巨大にしたようなショッピングサイトで有名な企業です。アリババグループの中国の独占率はなんと24%。日本のトップ25にも3つランクインしています。

 

ここまで占有率が高い理由の1つは、人気のショッピングサイトの1つである「Tmall」のログインなどのサブドメインが主要なURL以外に2つもランクインしているからです。ショッピングをする側の通常のユーザに近い数の売り手がログインページに押しよせているのだと推測されます。

 

Tmall以外で人気なのは、Taobaoという別のEコマースサイトです。

 

Google

調査国全16カ国のすべてにランクインした唯一の企業です。特にオランダでは、以下の6サイトがランクインして、アリババグループと並んで24%を専有しています。

 

  • Google.com
  • Youtube.com
  • Google.nl (オランダ用のGoogle)
  • Google.com.ua (ウクライナ用のGoogle)
  • Google.ru (ロシア用のGoogle)
  • Blogspot.com

 

ウクライナ用とロシア用のGoogleの2つがランクインしている理由は、正直まったくわかりません。オランダへの国別観光客数のトップ5にはロシアもウクライナも入っていませんし、ロシア系オランダ人の割合も全人工の1%未満です。

 

Microsoft

アメリカ企業の代表格らしく、自国での占有率は20%ほどで高めです。その他の英語圏でも別の地域に比べて高い傾向があります。

 

Microsoftは、アリババグループとGoogleと違い用途の異なるサイトが複数ランクインしており、事業の多角化傾向が現れています。LinkedInやBingなどがよい例でしょう。

 

4.公共団体と非営利企業

国営のサイトも意外と人気、非営利団体は1つのみ

 

日本では、国や区・市など公共団体のウェブサイトを多くの人が見るというのは、まったく想像できないと思います。ところが、今回16カ国中9カ国で公共のサイトがランクインしました。具体的には以下のようなサイトです。

 

  • BBC (イギリスの国営ニュース)
  • UNISA (南アフリカのオンライン大学)
  • Pole-emploi (フランスのハローワーク)
  • CAF (フランスの住宅補助機関)
  • Mos.ru (モスクワ市のサイト)
  • Canada.ca (カナダ政府のサイト)

 

BBCのような国営のニュースサイトも複数の国でランクインしていますが、ニュース以外の方が大多数です。ランクインした国はほとんどヨーロッパの国なので、各国の政府のデジタル化が日本よりも進んでいるのも1つの理由です。それに加えて、インターネットがより庶民の生活の中の一部になっていることも影響しているでしょう。

 

ランクインした非営利団体は、なんとなく想像できると思いますが、Wkipediaです。

 

5.買収によって勢力を伸ばしている企業

夢の国はランドだけじゃない・広告(クラシファイド)は一点集中

 

ディズニーは日本ではテーマパークとしてよく知られていますが、アメリカでは多くの関連企業を所有する超巨大複合企業です。

 

2,019年の11月には、ストリーミングの「Disney+」開始されるので、そのサイトもおそらくトップ25に入ってくるでしょう。現在ランクインしているのは、次の2つです。

 

  • ESPN (アメリカのスポーツチャンネル)
  • Hotstar.com (インドのセレブレティチャンネル)

 

検索といえばGoogleを連想するように、アメリカでスポーツといえばESPNというぐらい認知度があります。このスポーツチャンネルが、買収によってディズニー傘下におさまっています。

 

エンターテイメントの分野ではディズニーが勢力を伸ばし続けていますが、広告(クラシファイド)の分野では、南アフリカのNaspersに注目。

 

おそらくほとんどの方が聞いたことのない会社だと思いますが、買収を繰り返した結果、クラシファイドの分野で主要である次のようなサイトを傘下におさめています

 

  • Craigslist
  • eBay
  • Olx
  • Gumtree
  • Kijiji
  • Marktplaats
  • Avito.ru

 
今回は9つのサイトが8つの国でランクインしましたが、そのうちの7つのサイトをNaspersが所有しています。
 
以上、企業ごとにデータを分類し集計した結果からわかった内容でした。
サイトのカテゴリによって企業の独占率は異なるが、全体としては特定の企業のサイトに人気が集まっている傾向が読み取れます。特にトップ3やトップ5などランクが高い範囲での、Google、Microsoft、Amazonの3社の独占率が非常に高くなっています。
 
Googleなどの従来のWeb企業以外も、買収によってウェブでの存在感を増している企業があります。アマゾンのように、主要ビジネスと直接関係ないように思える、TwitchやIMDbがじわじわ人気を集めているのが、非常に面白いところです。
 
また、海外では、営利企業のWebサイトだけでなく、国営ニュースや国・市町村などの公共のサイトがランクインしています。そのような違いが生まれる理由について、より深く考えてみるのも面白かもしれません。

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