自家製ベーコン要約写真

自家製ベーコンの作り方

Daisuke Sadamori

最終更新日: 2020.03.12

カリカリに焼いたベーコンと新鮮なアボガドとレタスとトマトに焼きあがったばかりのバゲットで作ったアボガドBLTサンドイッチ。

 

オシャレなカフェに出てきそうなメニューですが、筆者がアメリカに住んでいた時は手軽さからBLTサンドイッチをよく食べていました。

 

久しぶりにBLTサンドイッチを作ろうと思ったのですが、日本で売られているベーコンは脂分が少ないので、焼いてもカリカリに仕上がらないことに気づきました。どうしても懐かしい味を再現したかったので、ちょっと時間はかかりますが、自分でベーコンを作る所から始めることにしました。

材料

  • 豚バラ肉             500g
  • 粗塩      小さじ2
  • ブラウンシュガー 小さじ 3/4
  • コショウ     小さじ1/4
  • バーボン     小さじ1/2

 

ベーコンの作り方

新鮮なバラ肉を購入

肉は小さくカットすると酸化が進み鮮度が失われるので、スーパーなどであらかじめカットして販売されている肉は鮮度が低く自家製ベーコンに向きません。

 

鮮度の良い肉を買うには肉屋で仕入れる日を聞いて、その日に必要な分だけ切り売りしてもらうのが一番です。スーパーも場所によっては切り売りしてくれるところもあるようなので、肉売り場で聞いてみるといいと思います。

新鮮なバラ肉

肉の塩漬け

脂肪部分は特に漬かりにくいので、購入したバラ肉の塊をつまようじなどで刺して塩分が肉の内部にまで行き渡るように準備します。バーボン以外の材料をよく混ぜて肉に擦り込んだ後、バーボンを振りかけてフリーザーバッグに入れて冷蔵庫で7~10日程度保管します。

 

漬かり具合を均一にして水分が肉の下部にたまらないように、3日おきぐらいに再度揉み込みをしてひっくり返してください。

 

この方法は乾塩法を使っていますが、より多くの量のベーコンを一度に作りたい場合は塩水を使うソミュール法で塩漬けしてみてください。

 

詳しい方法は「燻製:乾塩法と湿塩法」の記事を参照してください。ソミュール法の場合も塩漬け期間の目安は冷蔵庫で7~10日程度。ソミュール法で漬けると以下の写真のようになります。

ソミュール液に漬けたベーコン

塩抜き作業

塩漬けが終わったら流水で塩抜きをします。この作業が不十分だと出来上がるベーコンが塩辛くなります。最低1時間長くて3時間程度を目安にしてください。

 

表面についている塩を洗い流したら、肉をボールに入れて水をチョボチョボ流しかける感じです。

 

燻製前の乾燥

流水で塩抜きした肉の表面をキッチンペーパーでよく拭き、自然乾燥または冷蔵庫で乾燥させます。

 

表面をきちんと乾燥させることで燻製の煙がつきやすくするだけでなく、肉全体のの水分量を減らしバクテリアの増加防止が目的。肉の乾燥と熟成には温度が10℃~15℃、かつ湿度が肉の表面より少し低い程度の湿度が一番適しています。

 

日陰干しで乾燥

基本的に冬場で外気温が0℃以上、15度程以下であれば日陰干すると、肉全体が少しづつ乾燥する良い乾燥条件を保てます。外での自然乾燥は温度のばらつきは大きいものの、湿度が50~60%で安定するのが利点です。

 

冷蔵庫内で乾燥

外気温が高くなる冬場以外の季節と冬の温度が0℃以下になる地方では、冷蔵庫で乾燥させる必要があります。

 

冷蔵庫は温度管理(3~6℃)が簡単ですが、湿度が20~35%くらいと極端に低いのが難点。肉の表面だけが急激に乾燥し硬化することで、中心部の水分が閉じ込められてしまうことがあるからです。

 

冷蔵庫内での極度の乾燥を防ぐ簡単な方法は、野菜室を使うこと。野菜室は通常の冷蔵庫内よりも温度も湿度も高くなるように設定されているからです。特に最近の高機能冷蔵庫なら、ベーコンを作るのに最高の温度と湿度が簡単に手に入ります。

 

乾燥期間は日陰干しでも冷蔵庫でも数時間から3,4日くらいが目安。以下の写真のベーコンは4日間干して、重量が20%ほど減少した状態です。

4日間乾燥させたバラ肉

燻製

肉の表面が完全に乾燥したら燻製します。より均一に燻製するために網に置かずに、ステンレスのS字フックに掛けて燻製器に入れてください。

 

燻製器の自作について興味のある方は「意外なもので簡単に作れる燻製器」の記事がおすすめ。

 

簡易ベーコンなら2~4時間、本格的なベーコンなら5時間以上燻製すると完成。以下の写真を見るとわかりますが、2時間の燻製では煙により色は多少変わるものの生肉のような仕上がりです。

 

2時間燻製ベーコン

2時間燻製したベーコン

 

 

より本格的に7時間かけてじっくり燻製したベーコンは赤肉の部分が完全に乾燥し、表面はサラミの様に固くなっています。

 

7時間燻製ベーコン

7時間燻製したベーコン

 

ちなみにウッドチップにはヒッコリー、または桜が無難な味に仕上がります。

 

調理と保存

完成したベーコンは食中毒を防ぐために十分に加熱して食べてください。

 

日本で多い食中毒は次の4つですが、加熱することでどれも死滅します。厚生労働省が発表している資料によれば、加熱の目安は75℃で1分間

 

  • カンピロバクター
  • ノロウイルス
  • サルモネラ属菌
  • 病原大腸菌(O157など)

 

温度で言われると逆に難しいと思うので、BLTサンドイッチに入れるようなカリカリのベーコンなら安心と覚えるのもありです。カリカリにしないで肉っぽい感じを味わいたい方は、5分以上調理するとよいでしょう。

 

ちなみに、発症例は少ないものの致死率の高いボツリヌス菌の毒素は、世界保健機関(WHO)によると85℃以上で5分間以上加熱することで無効化できるようです。

 

ベーコンの保存

残ったベーコンはラップに包んで冷蔵庫で保存してください。

 

燻製前の乾燥期間にもよりますが、簡易ベーコンは1週間、本格的なベーコンは2週間程度は保存できます。本格的なベーコンの場合は実際のところは1ヶ月程度持つだろうと思われますが、筆者は長くとも2週間ほどで食べ終えてしまうので断言できません。

 

ベーコンの消費期限が気になる場合は、肉の切り口の色からでもある程度は鮮度の判断が可能です。新しいベーコンの切り口は以下の写真上のベーコンのようにきれいなピンク色をしていますが、古くなると少しづつ灰色になってきます。

 

写真の下側にあるベーコンは古いものではなく、燻製した外側の部分です。

新鮮なベーコンの切り口の色

 

 

自家製ベーコンのまとめ

おいしく食べれる自家製ベーコンの材料調達から保管までの全工程を紹介しました。

 

手作りベーコンで重要なのは、肉の鮮度、乾燥、食中毒対策です。

 

まず、おいしいベーコンの基本は、おいしい肉。あたり前のことですが、スーパーの切った肉に慣れているとそのことを忘れてしまいがち。できれば肉は肉屋で買いましょう。

 

次に乾燥ですが、本格的なベーコンと簡単なベーコンの差は、どれだけ乾燥・熟成に時間をかけるかです。ゆっくり時間をかけて乾燥させると違います。

 

最後に食中毒ですが、準備のときの手洗いはもちろんのこと、自然乾燥する場合は日光による突然の温度変化にも気をつけましょう。あとはきちんと調理すれば、神経質になることはありません。

 

手作りしたベーコンは、冒頭のBLTサンドイッチはもちろんのこと、カルボナーラなどのパスタに使うのもおすすめ。また、小さく刻んでカリカリにした物をサラダのトッピングにしてもおいしいです。

 

作れる分量を考えると費用もスーパーで買うベーコンとほとんど変わらないので、気軽に作れると思います。ぜひ試してみてください。

 

ベーコン以外の燻製に興味のある方は、こちらの記事がおすすめ。

 

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Daisuke Sadamori

デザイン・テクノロジー・データの3つが大好きなデジタルコンサルタント。 日々の生活や仕事の中で、この3つをどうやってうまく使っていくかを常に模索しています。

ついでに料理は作るのも食べるのも好き。最近のお気に入りは、低温調理と常備菜。ちなみにエスプレッソマシンは全自動。

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