パソコンやスマホのデータが消えた!
そんな経験ありませんか?
筆者は自分のデータは複数箇所にバックアップを取ってあるので安心ですが、妻のiPhoneに保存された連絡先をすべて消してしまったことがあります。
当然ですが、かなり怒られました。
しかもデータの復旧もできないという始末です。
原因はこの記事の主題であるiCloud。
iPhoneユーザーにはおなじみのデータのバックアップサービスです。
自動でバックアップしてくれるのでとっても便利ですが、iCloudの設定で「iCloud Drive」という文字を見かけたことはありませんか?
iCloudでバックアップしているのに、なぜiCloud Driveを別で設定する必要があるのか。
不思議ですよね。
答えは、とっても単純。
iCloudはAppleが提供するクラウドサービスの総称で、データ保存機能のiCloud Driveはそのサービスの1つということ。
iCloudには主に次の4つの機能があり、このうちiCloudバックアップとiCloud Driveの機能が重複しているように見えることが混乱の原因です。
- iCloudバックアップ
- iCloud Drive
- iCloudメール
- iCloudフォト
また、ほとんどのiPhoneやiPadユーザーにとって、そもそも「iCloud」を使う理由が「iCloudバックアップ」を使うことなので、iCloudとiCloudバックアップが混ざってしまっている点も見逃せません。
iCloudはApple製品を使うすべてのユーザーが使うサービスです。
あまり内容を理解していなくてもとりあえず使えるのがApple製品の良さではありますが、きちんと理解しておくと筆者のようなデータを消してしまうミスも防げるでしょう。
この記事では、iCloud DriveとiCloud(バックアップ)との具体的な違いと、iCloud Driveを選んで使う理由について解説していきます。
iCloud(バックアップ)とiCloud Driveの違い
2つの違いは、1)利用できる機器、2)保存できるファイルの種類の違いから次の表のようにまとめられます。
iCloudバックアップ | iCloud Drive | |
利用できる機器 | *Apple製品のみ | Apple製品以外にも、Android、Windows製品など |
保存できるファイルの種類 | Apple製品(iPhoneなど)のシステムバックアップ | それ以外のファイルの保存 |
*正確に言えば、iCloudのバックアップの一部(連絡先など)はApple製品以外からも利用できますが、基本的には表の通りです。
単純な表なので特に説明なしでもおわかりいただけると思いますが、それ以外のファイルってなに?と思った方もいるかもしれません。
それ以外のファイルは、具体的にはWordやExcelなどの書類、写真、動画、音楽などパソコンで操作できるデジタルファイルです。
Google DriveやDropboxを利用している方には、iCloud DriveはAppleが提供しているクラウドストレージという説明が、よりわかりやすいかもしれません。
クラウドストレージを使うにはブラウザさえあればよいので、表の通りAndroid携帯やWindowsのPCからでもiCloud Driveの利用が可能です。
また、Windowsについては、iCloud for WindowsというApple純正のアプリをインストールするとファイルエクスプローラーから直接iCloud Driveのデータへアクセスできます。スマホはiPhone、パソコンはWindowsという方は少なくないと思うので、気になる方はためしてみてください。
ダウンロードは以下のAppleのサポートページから。
https://support.apple.com/ja-jp/HT204283
iCloud(バックアップ)とiCloud Driveの違いがわかったところで、次に、iCloud Driveを使う利点について見ていきましょう。
iCloud Driveを使う理由
iCloudはApple製品を使う以上必須ですが、iCloud Driveは上記の通り単純なクラウドストレージでありオプションです。
実際、クラウドストレージは、主要なものだけでも次にあげる5サービスがあり、iCloud Driveの代りに使えます。
- Google Drive
- Dropbox
- OneDrive
- Box
- Amazon Cloud Drive
機能面や汎用性の面においてはiCloud Driveよりも優れているものもあり、クラウドストレージという独立したカテゴリで考えれば、他のサービスがおすすめです。
しかし、iCloud Driveには他のサービスにはない強みが2つあります。
- Apple製品での使い勝手が最高
- ストレージの容量追加の最低料金が安い
2つとも単純なことですが、ビジネスユーザーを除く多くの一般ユーザーにとっては最も重要なポイントではないでしょうか。
便利で安いは最強の組み合わせですから。
使い勝手について
iCloudはAppleが提供しているので、Apple製品で便利なのは当然ですよね。
では何が便利なのかというと、オペレーティングシステム(iOS, iPadOS, MacOS)の一部なのでユーザーは特別な設定をしなくてもすぐに使えるということです。
例えば、無料容量の大きさで他のサービスを圧倒するGoogle Driveですが、iPhoneで使うにはアプリのダウンロードと認証が必要です。もちろんiPadやMacでも同様です。
ダウンロードや設定が特別難しいわけではありませんが、必ず「ひと手間」かかります。言い換えれば、目の前のコンビニに行かないで、信号を渡った先のコンビニに行くようなもの。
そしてこのひと手間を惜しむ人が大量にいるんです。めんどくさいことは誰もやりたくないですから。
iCloud Driveの使いやすさは、まさに、このめんどうなことをする必要がないという点に集約されます。特に、MacユーザーならiPhoneとの連携が非常に便利なので、試してみる価値アリです。
iCloud Driveの使い方を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
iCloud Driveの使い方:iPhone & iPad編
ストレージの料金について
iCloud Driveは無料で使える容量は少ないですが、最低限の容量を購入する場合は他のサービスよりもずっとお得です。
というのも上記の5サービスは容量を追加で購入する場合、100GB以上のプランしかないのに対し、iCloud Driveは50GBのプランがあるからです。
2020年2月現在のiCloudの値段は、50GBでひと月あたり税込130円。
10円足すとアイスで有名なガリガリ君が2本買える値段です。
他のサービスは、100GBでおよそ200円~といったところですから、必要な容量が50GBまでなら支払総額は安いが1GBあたりの値段では高くつくということ。
そうすると、「50GBは十分な容量なの?」という疑問がわきますよね。
答えはズバリ、「人による」です。
ただ、次のどれか1つでも当てはまれば、ほとんどの場合は十分すぎる容量でしょう。
- 画像はおもに写真で動画はあまり撮影しない
- 動画と写真はGoogleフォトに保存する
- 写真はAmazonフォトに保存する
- 古いデータはパソコンなどに順次バックアップする
実際、筆者は上の例があてはまり、50GBどころか追加購入をしないでも十分まにあっています。
ポイントは、容量をたくさん使う動画の撮影とその保存場所です。
4Kのビデオは圧縮率にもよりますが、3時間も撮影すれば50GBは超えます。3時間連続で4Kビデオを撮影する人は少ないと思いますが、数分のビデオも数が増えれば合計で数時間になることもあるでしょう。
ですから動画だけ別の保存場所を確保し、必要に応じてiPhoneやiPadから削除する手間をかけるかどうかにかかっています。
まとめ
iCloudとiCloud Driveの違い、そして、iCloud Driveをあえて使う理由について解説しました。
繰り返しになりますが、iCloudは、主にiPhoneやiPadのシステムバックアップに使われるため、iCloudバックアップと混同されがちです。しかし、正確にはAppleのクラウドサービスの総称であり、クラウドストレージ機能のiCloud Driveはその中に含まれています。
iCloud Driveは、使いやすさと値段の安さにおいて他のクラウドストレージよりも優れていますが、利用シーンは限定的でしょう。ただ、設定の手間がないので、テクノロジーに疎い方にはおすすめです。
iCloud Driveを使うかどうか迷ったときの参考にしてください。