SNSに子供の写真をのせる?

子供の写真をSNSにのせますか?

シェア

gplus-share hatena bookmark

2008年にFacebookが日本に上陸した当初はSNSで実名と自分の顔写真を使うというスタイルが馴染みのないものだったので色々な議論があったと思いますが、今は少しづつ受け入れられてきているように思います。自分のアカウントであれば自己責任で対応するというのが基本の考えだと思いますが、そういう判断ができない子供の写真や名前についてはどうでしょうか?出会い系サイトなどネットがらみから発展した事件は大きくニュースに取り上げられるので、子供を持つ親であれば心配でしょう。一方で日本人のFacebookの投稿内容は、食べ物に並び子供の写真で溢れかえっているようにも思えます。

 

そこで、ネット及び現実に議論されている「SNSに子供の写真を載せるか」についてよくある意見をタイプ別に分類し賛成派と反対派でまとめて分析し、解決策を考えてみました。

 

 

反対派

  1.  見たくない系

「大して可愛くない他人の子供を見たくない」とか「子供ができない人もいるのに」とか「自慢するな」など投稿内容にケチを付けるタイプ。

 

2.子供の権利侵害系

写真を載せても良いか子供に聞いても理解できないのに投稿すると、子供が大きくなった時にショックを受けるだろうと心配するタイプ。

 

3.アイコラ恐怖系

アイコラはアイドル・コラージュの略で、(アイドルの)顔など写真の一部を切り取って全く別の写真(裸など)と合成するものです。子供の写真がそういう用途に使われてネットで拡散されるのを恐れるタイプ。

 

4. 友達による嫌がらせ恐怖系

友達との関係が悪化し、その友達に子供の写真をネット公開されるなどの嫌がらせを恐れるタイプ。

 

5.事件に巻き込まれる系

投稿した子供の写真が原因で犯罪の標的にされ、写真やGPSの情報を使って住所や通っている学校を見つけ出されて誘拐などの事件に巻き込まれるのを恐れるタイプ。

 

6.SNSの共有設定がわからない系

Facebookのいいねなど何がどこまで共有されているかわからないので、とりあえず怯えるタイプ。

 

7.何が何でも100%安全を求める系

SNSの共有設定を友達に限定しても「こうすれば・ああすれば」見られてしまうと全ての可能性を心配するタイプ。

 

 

賛成派

1.気にし過ぎでしょ系

SNSの友達限定で共有している子供の写真が悪用されたり、犯罪に巻き込まれる直接的原因となる可能性は他のリスクと比べて高いわけでは無いとするタイプ。公園やイベントなどの外出先で他人に撮影される可能性や友人に写真を取らせること自体のリスクなど小さいリスクを気にし始めると何もできないという考え。

 

 

2.SNSは本来共有するもの系

FacebookなどのSNSは写真を含む個人情報を共有することで、より円滑なコミュニケーションを可能にするプラットフォームである。子供の写真、つまり子育ての写真は人生の大きなライフイベントであり、それを友人等と共有するのは本来のSNSの目的にかなうとするタイプ

 

 

3.共有範囲をきちんと設定すれば良い系

SNSの共有範囲はかなり細かく設定可能なので、子供の写真を見せたいと思う友人だけに共有すれば何も問題ないとするタイプ。

 

4.SNSで見れて嬉しい系

遠くに住んでいる友人や家族の子供は中々合う機会が無いため、近況報告として重宝しているとするタイプ

 

以上賛成派と反対派の意見でした。皆さんの意見も上記の中に含まれていたでしょうか?次は反対派の意見について考察します。

 

考察

SNSで子供の写真を見たくないということに関して

SNSで何を見たいか又は見たくないかは人それぞれで、友人が数百人いれば投稿内容を個々の友人の好みに合わせることは非常に困難です。投稿者が投稿内容をカスタマイズするよりも、見る側が設定を変更するほうがずっと簡単です。

 

見たくない内容ばかりを投稿する友人がいれば、単純に「unfollow」しましょう。Facebookの場合はunfollowするとニューズフィードにその相手の投稿内容が表示されなくなるだけで、相手にはunfollowしたことが知られることもないですし、見たければ相手のページから投稿内容の閲覧も可能です。TwitterとGoogle+でもunfollowすることでこの問題は解決できますが、相手が確認すればあなたがunfollowしたことが知られてしまいます。また、友達でもない場合は即座にブロックしましょう。

 

子供の権利を侵害しているということに関して

この理由を重要視する場合は解決しようがないので、投稿するのはやめましょう。そして、その旨を周りの友人に説明し、自分の子供が写っている写真を投稿しないように求めましょう。ただし、友人が本人の子供の写真を投稿していることに関して口を出すのは嫌がられるので、注意が必要です。

 

写真が悪用されるということに関して

3(アイコラ恐怖系)、4(友達による嫌がらせ恐怖系)、5(事件に巻き込まれる系)、6(SNSの共有設定がわからない系)に関してはまず友人とそれ以外をきちんと分けて考えましょう

 

(元)友人による嫌がらせの場合

これは実はSNSに子供の写真をのせるかどうか以前の問題です。SNSに載せていなくても、一緒に写真を撮っていたり、写メールを送っていたりしていれば、相手が自分の子供の写真をすでに保持している可能性があるからです。また、子供同士の学校が一緒であれば、運動会や学芸会など写真を撮る機会はいくらでもあります。こういうことを心配するのであれば、SNSの心配をする前に良い友人関係を気づくことに集中したほうがよいでしょう。また、プライベートの内容を見られたくないちょっとした知り合いや上司から友だち申請が来たら無視しましょう。しつこい場合は本当に親しい友人のみでやっているからと説明すれば済みます。

 

 

友人以外の場合

この場合の解決は簡単で共有範囲を友人のみに限定すれば解決します。設定についてよく知らない反対派が心配するのは、Facebookの「いいね」や「共有」経由で友達の友達など意図していない人にプライベート写真が流出しているというものですが、それもきちんと設定すればなんの問題もありません。

 

FacebookとGoogle+は投稿毎に共有範囲の設定が可能ですが、Twitterは投稿内容の全体をプライベートに設定する必要があります。また、FacebookとGoogle+はプロフィール写真も他人に見られたくない場合は、プロフィールを検索できないように設定することも可能です。

 

 

何が何でも100%安全を求めることに関して

これは考えてみるとありえないことですが、いざ子供の話になると少しでも危険の可能性があれば絶対ダメだという人は驚くほど多いものです。共有範囲が友人限定でもこうすれば見られてしまうなど通常パソコンを触るレベルの人が知り得ないやり方を示して不安をあおったりします。ここで重要な事はリスクをきちんと理解することです。すべてのデジタルデータは流出する可能性があるので、Facebookのサーバーにある写真も自分のスマートフォンの中にある写真もデジタル化された時点で流出のリスクがあります。

 

それを踏まえた上で子供の写真をSNSに投稿すると犯罪に巻き込まれる可能性が実際に高くなるのかどうかを考えてみましょう。SNSの写真が直接の原因となった犯罪件数というのは特に公表されていませんが、13才以下の子供の犯罪被害件数とFacebook及びTwitterのユーザー数の推移はそれぞれ警察庁及び総務省から公表されています。

 

総務省 SNS統計

http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/

index/seido/2jiriyou.htm

 

警察庁 犯罪統計

http://www.npa.go.jp/hakusyo/h25/honbun/

html/pf221000.html

 

FacebookもTwitterも2008年に日本でサービスを始めているので、その後のSNSのユーザー数の増加と犯罪件数推移を見れば、SNSに子供の写真を投稿するリスクが分かります。

 

SNSのユーザ数と子供の犯罪被害

 

グラフを見れば一目瞭然ですが、SNSのユーザ数は2009年を100%として2012年は5600%増加しているのに対して、子供に対する犯罪件数は77%まで減少しています。また、犯罪件数全体に占める子供の犯罪被害件数も2.0%から1.9%に減少しています。以上から、犯罪件数にはちょっとしたいやがらせ等犯罪に至らないものは含まれていないことを考慮しても、SNSに子供の写真を投稿すること自体とその子供の実際のリスクには相関性が認められないと結論づけられると思います。

 

普通の人がこの2つについて相関性がありそうだと思ってしまう理由の1つにはマスコミがネットがらみの犯罪を大きく取り上げるからです。子供に対する単純な傷害事件は話題になりにくいですが、ネットという言葉が入れば多くの人が注目します。しかし実際には、SNSで不正に他人の写真を入手し、関連する情報から居場所等の個人情報を抽出するのにはそれなりのパソコンの知識と分析能力が必要となります。仕事がIT関連のエンジニアであれば可能なことでも、それ以外の人には技術的な困難が伴います。また、以下のブログのデータによれば、中卒の刑務所の入所率は大卒の約32倍であるため、多くの犯罪者がこういったハイテク犯罪に必要な技術や知識を持ち合わせている可能性が低いことが推測できます。

 

データえっせい

http://tmaita77.blogspot.jp/2012/02/blog-post_29.html

 

 

結局どうすればよいか

 

SNSで共有範囲をきちんと設定した形で共有された写真が悪用される確率は通常無視できる程度なので、最終的にどう判断するかは自分次第です。もちろん、友人の中にセキュリティやプライバシーに関して知識やマナーを持ち合わせていない人が一人でもいればリスクが増加します。

賛成か反対かどちらが良いということではないので、それぞれについてアドバイスしたいと思います。

 

 

賛成の人

まずリスクを最小化するために以下のセキュリティ対策をしたうえで、楽しくSNSを使ってください。

 

1.使っているSNSの共有設定を見直す

誰が何を閲覧できて、シェアできるのかなどの共有の範囲をきちんと設定し把握しておくことが大切です。これを怠ると意図しない人にも見られてしまう可能性が増加します。

 

2.友人にリスクの高い人がいるかチェックする

いくら自分がリスク管理をしていても、友人に一人でも認識が甘い人がいるとそこから情報が流出します。友人にプライベートの写真をネットで一般共有する人、手当たりしだいにSNSで友達を増やす人、ITに極端に弱い人はいませんか?設定の仕方を説明してあげる、共有リストから外す、又はブロックするなどの対策をとりしましょう。

 

3.友人や家族とルールを決める

「子供の写真をSNSで共有するなんてありえない」という人も相当数いますから、まずリスクについて説明して上げてください。それでも投稿しないという人の場合は、相手の意見を尊重しその人の子供の写真を投稿しないようにしましょう。背景に写っている程度でもダメな人から後ろ姿なら良いという人もいるので、あらかじめルールを作っておくと便利です。また、写真だけはいいけど名前を書くのはやめてという人もいるので、まずは話し合ってください。

 

4.投稿内容を見直す

友人限定の写真であれば通常安全ですが、100%はありえません。投稿する前にこの写真が世間一般に出回ったらどうなるかという思考訓練をしてみると良いです。例えば、子供が普通の公園で遊んでいる写真と子供が飲酒や喫煙をしている写真では流出した場合どちらが問題になるかを考えてみてください。その写真自体が問題となるような子供の下半身が写っている写真や人によってはすっぴんで子供と遊んでいる写真などの他、すぐに個人が特定されるような車のナンバーや家の住所が分かるような写真は避けたほうがよいでしょう。

 

 

反対派の人

賛成派の意見ををメインに書きましたが、最終的に子供の写真をSNSに載せないと決めたのであればそれはそれでなんの問題もありません。賛成側の人は当然投稿して良いものだと思い込んでいる場合もありますから、早めに自分の要望を伝えておいたほうが良いです。また、自分がどこまでなら許せるのかのルール決めをしておくと周りの人も対応しやすいでしょう。

 

しかし、自分が載せないからといって周りの人が自分の子供の写真を載せることにむやみに反対するのはやめましょう。特に犯罪に巻き込まれるよとか友達限定でも見られるよなど、統計的に正しくない情報や設定に関する無知を拡散するのは非常に有害です。


あえて賛成派の人にツッコミをいれるとすれば、プロフィールの写真を子供の写真にするのはどういう理由なのかということぐらいでしょうか。

 

賛成派も反対派もお互いの意見を尊重して上手にSNSを利用していけると良いと思います。

Daisuke Sadamori
建築とテクノロジーに情熱を燃やすデジタルデザイナー。デザインとITを使って地方の持つ魅力を引き出し、人と人をつなぐことで地方の活性化に貢献することを目標にしています。 一時期小笠原に住んでいたせいなのか、田舎の古民家で半自給自足的なサステイナブルな生活に憧れています。単純な田舎ぐらしというよりも、Arduinoなどを使った「モノのインターネット」を上手く活用して少しハイテクな次世代の田舎暮らしを模索したいと思っています。

シェア

gplus-share hatena bookmark

ディスカッションに参加